ToDo リスト再考 (1) ToDo にいれてはいけないもの

[hipster-pda.jpg ToDo といえば、「やろうと思っていること」のリストなのだから、思いついたことをなんでも入れていくメモなのだろうと思っていました。

ところが、43folders の古い記事を読んでいて、必ずしもそうではないということがわかってきた気がします。

いま実行できないことや、まだ考えがすすんでいないモヤモヤとしたことが ToDo に入っていたところで、「仕事が進まない」「進んだ気がしない」というストレスが増えるばかりです。

そんな「ToDo リストにいれてはいけないもの」について読んだり、自分で考えたことをまとめてみました。

「いま」「ここで」できることしか書かない

職場で開いた ToDo リストに「牛乳を買って帰ること」と書いてあっても、何もできません。ToDo は現状を前に進めるために次々とアクションを生み出す「現場」であるべきなのに、ToDo リストの前で立ち止まってしまいます。

ここで重要なのが GTD で提唱されている「コンテキスト」つまりは「文脈・状況」という考え方です。「今」「ここで」できることだけがリストになっているように、ToDo リストを分割することが必要になります。

プロジェクトはいれない

GTD でいうところの「プロジェクト」、つまり2つ以上のアクションのかかるものをいれてはいけないというのも、コツとして 43folders で紹介されていました。

たとえば「そうじをする」は ToDo リストにいれてはいけないことになります。というのも、「そうじをする」という文は「○○をそうじする」という主語が入っていないからです。何をそうじするのかが定まっていてこそアクションになるわけで、入っていないということは、まだ何か考えが定まっていないわけです。

ここでのコツは、アクションを非常に細かいところまで定義するということです。何か判断すべき点が残っていなくて、「ToDo リストに書くよりやった方が早いよ」という一歩手前のところを書いておくことで、行うべきアクションを明確にすることができます。

完了しないものはいれない

おかしいようですが、ToDo リストには何をもって「完了」とするのかわからないことが次々と入り込んできます。

例えば「報告書を書く」は「いま、ここで実行でき」、かつ、アクションは明確かもしれませんが、報告書が完成するのにいくつもの資料を読んだり、先にやるべきことがあるのなら、それはいつまでたっても完了しません。

2番目の点と関連していますが、こうした仕事はプロジェクトとして定義した上で、「完了」が明確に定義できるサブプロジェクトに分解してゆくという手続きが必要になるわけです。

さて、明日は ToDo リストをいつも最新の状態に保っておくためのコツについて考えたことをまとめてみることにします。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。