37Signals の Highrise が正式スタート
[ が正式にスタートしました。
Basecampが「頑張りすぎないプロジェクトマネージメントサービス」であるのに対して、Highrise は「頑張りすぎないグループウェア」という位置づけをすることができると思います。軽く使ってみた感想や、日本語で使うときの問題などをまとめました。
Basecamp と Highrise の違い
自分のプロジェクトマネージメントのために Basecamp を無料コースで使って長いのですが、このウェブサービスは基本的に「プロジェクト」を単位としてその周辺に関係したユーザーや、ToDo リストを登録してゆく方法で設計されています。
ソフトウェア開発などのようにプロダクトがあったり、リリース日が決定している仕事なら、こうした設計は合理的なのですが、客商売や営業活動のように人間を中心にまわっている仕事には向かないという欠点がありました。 それにたいして Highrise は、人間や会社組織といったコンタクトを中心として、それらにタスクを振り当てていく設計思想をしています。
このあたり、何をどちらのサービスで管理したいかは、ユーザーが自分自身で吟味する必要がありそうです。
人間を中心にしたサービス
Highrise の機能ツアーに詳細に書いてありますが、Highrise に登録してまず行うのは、人や会社、組織といった「コンタクト」の登録です。コンタクトの登録は vCard や、Basecamp からのインポートでできるほか、メールでも行えます。
この登録したコンタクトに対しては、「ノート」といってこの人との話し合いや、出来事のメモをつけたり、タスクを割り当てたりすることができます。基本的に Highrise の機能はこうした、コンタクトに対するタスクの割り当てが全てです。
電話があったり、メールがあったり、日々流れ込んでくる情報を人別に管理して、入る都度にメモとタスクをいれてゆくと、Dashboard というタブで全てのタスクを一覧表にしてみることができます。非常に多くの人と錯綜した交渉を行っている人などは、こうした人間中心のタスクマネージャとしての Highrise を非常に重宝することと思います。
また Highrise の特徴として、Dropbox アドレスという一意に決められているメールアドレスに仕事のメールを転送することでタスクを Highrise に直接加えてゆくことができます。たとえば自分のアカウントの Dropbox アドレスが「dropbox@12345678.highrisehq.com」だったなら、「dropbox+tomorrow@12345678.highrisehq.com」が明日のタスクを設定するアドレスに鳴るので、そこに向かってメールを転送すれば明日のタスクが Highrise 上で追加されます。
痛いのは、無料で使えるサービス上で Cases という、コンタクトを一つの仕事でまとめる機能が使えない点です。この機能を使うには月額 $49 のサービスに加入しないといけませんが、「これは高すぎる」とか、「限定された機能でいいので、安いサービスにも Cases を」という抗議が巻き起こっています。いままでの 37signals の方針からみて、今後改善が図られる可能性は大きいと思います。
国際化は使える…けどまだ不十分
Highrise の入出力は基本的に UTF-8 ですので、日本語もわりあい大丈夫なのですが、目立たない場所で化けてることもあります。たとえば右の画像、ノートをつけた人物(木村)の名前の一部が化けてしまっています。実用上問題はないですが、2バイト文字の名前を想定に入れてないせいですね。
あと、やはりコンタクトの名前の姓名が逆に表示されるのも痛いです。このあたりは今後国際化がすすむなかで改良されてゆくところだと思います。ウェブサービスの良い点は、日々使ってゆく中でいつのまにかバグがつぶされていたり、便利な機能が追加されてゆくところですので、Highrise も日本語コミュニティから強い要望がでれば便利にされてゆくかもしれません。
Update
要望が非常におおかったみたいで、Cases が無料コースを含むすべての利用者に利用できるようになりました。無料コースだと1つ、Personal だと 3 つという制限付きですが、十分です。無料コースのコンタクトの数も 250 に増強されてます。Thank you! 37Signals!