GTDの落とし穴:ウィークリー・レビュー
正直に言いますが、私は GTD を維持するのに今まで何度も失敗しています。私がいまやっている研究者という仕事は暇なときは暇ですが、時折急に忙しくなることがあります。そんなときにこそ GTD には機能してほしいのに、きまって Inbox はあふれ、プロジェクトリストの更新は滞り、ToDo に何も書かれなくなって頭がパンクしそうになるのです。
本来、こうした状況を避けるために Weekly Review を行うのですが、レビューに割り当てた金曜日の夕方までに頭がパンクしている、いや、そもそも忙しすぎて金曜日の午後は使えない、なんてことがままあります。「GTD はスケールしない」と一部の人に言われるゆえんです。
43folders の対談で、David Allen は GTD のこうした欠点を認めた上で、「GTD は失敗しやすいが、失敗したところからすぐに復帰できるという長所もある」と言ってます。
まだそこまで華麗に復帰することはできていませんが、とりあえずその助けになるように、去年から導入している『緊急レビュー」の手順を、来年度にむけて書き直してみました。
緊急レビューのタイミング
緊急レビューは GTD の原典でも紹介されていますが、仕事があふれそうになったときに行うものです。これには前提があって、「今は忙しすぎるから緊急レビューでコントロールを取り戻すけど、○日後には時間があるからその日には全てをレビューします」という約束を自分と取り決めています。でないと、いつも緊急レビューばかりになってしまい、全体を見渡すことができなくなるからです。
私の場合、緊急レビューは「あ、やばい、溢れそう」と思ったときに15分程度の限られた時間でざっとやっています。忘れたら痛い目にあう要点に集中して、手順も決めてあります。
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返事すべきメールを忘れていないか?
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締め切りは全部スケジュールに入っているか?
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Inbox のなかに緊急事項はないか?
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モニターに貼付けたポストイットなどの ToDo をいったん全部回収し、「今やるもの」だけを再展開する
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後回しにできる仕事、人に任せられるものはないかチェックする
1-3 は現状確認で、仕事の水平線を視認するためのものです。それに対して 4-5 は仕事を減らすためのチェック項目です。
5 は今回付け加えた項目で、ずいぶん忙しいつもりでも、よくよく考えてみると一つ二つ後回しにしてもよいタスクが見つかるなあ、という経験から生まれたものです。「自分はこんなにやらなきゃいけないことがある」と必要以上にかかえこんでいるつもりになってないかというリアリティ・チェックのためのものといってもいいかもしれません。
緊急レビューでも間に合わないときは、わりとあっさりと沈没船モードに突入します。GTD のシステムを守るよりは仕事の締め切りを守る「あきらめ」モードです。嵐が過ぎてから、ゆっくり、めげずにサルベージというわけです。