CNN.com に David Allen と GTD の記事
CNN.com の記事に David Allen と GTD についてのまとめの記事が載っていました。People you should know 「あなたが知っているべき人」のコーナーでの紹介で、彼の人となりや、GTD が(Geek ではなく)一般の人にはどう紹介されるのかが読み取れてなかなか興味深いです。
意外な経歴
David Allen が 35 歳までに 35 種類の職種を渡り歩き、ある意味「大きくなったら何がしたいのかわからなかった」と書いてあるのも意外な話です。
ただ、アメリカ思想史の学位を持っているということは、この国のプラグマティズムの歴史背景などについても深い洞察をもっているはずで、それがアメリカをどのように発展させてきたか、そしてこれからもそれをどう応用できるかについては考えを持っておられると考えるのが妥当でしょう。
ウィキペディアによればプラグマティズムが広い意味で「行為に重きを置いた思索の方法」として提唱されたという来歴をもっているのも含蓄深いです。理念から出発するのではなく、人間の行為(アクション)を主体としてこれを分析するという手法は、こじつけかもしれませんが GTD に通ずるものがあると言えないでしょうか。
頭を空にせよ
記事本文で一番目を引いた文句は、
情報をどのようにキャプチャーするかは重要ではない。ただ、それが信頼できる場所に格納されることが重要なのだ。 どこに格納するのかも問題ではない。それが安心だというなら腕に書いたっていいのだ。
しかし保証するが、こうして無くすことのない、すぐにでも取り出せる場所に頭の中のすべてを書き込んでしまえば、書き込んでいないときに比べて生産的で、かつ少ないエネルギーで仕事をやっつけることができる。
これがけっこう昨今の LifeHack で見失われている原点だと痛烈に感じました。いろいろなソフトウェアや、ネット上のツールを使って GTD を実装しようとがんばるあまり、ツールをいじくることに目がくらんで結局生産性を上げる事ができていない面があります。ツール好きなのはいいのですが、手段と目的が逆にならないようにしないといけないなと自戒をこめて思います。
一方では LifeHack が企業の内部統制によってつぶされるなんてことがささやかれています。たしかに便利に使っていたウェブツールを使えなくなるかもしれないのは痛いです。でも、与えられた束縛条件のなかで能率を上げる新たなハックを見つける事もまた LifeHack の楽しみではないでしょうか。