「知的生活の設計」このわかりにくい本を伝える言葉を探して

先日から告知していました「知的生活の設計」がようやく発売されました。著者としてはもう何ヶ月もこれにかかりきりでしたので、ようやくお届けできてホッとしました。

さて、よく近年の著者については「書くまでが道のりの半分で、売るための努力をさらにしなければいけない」という話があります。

書いた本がそのまま書店に置いてあるだけで届くべきところに届けば苦労はないのですが、最近の大型書店に踏み込めばわかるとおり、そこには互いに注意をひこうとあの手この手をつかっている無数の本がありますので、著者は本の内容についてPRしないことには動くものも動かないわけです。

それを意識したのが今回、山手線一周の書店めぐりをしていて去年の「ライフハック大全」との違いを感じることができたときです。

たとえばこちらは池袋の三省堂書店の平積みの様子。実は去年、ここは2週間たっても「ライフハック大全」が置かれていない、私にとっては悔しかった場所でした。それが発売前日からこうして置いてくださっているのは、一年の努力が実を結んだようでうれしいものがあります。

思わずガッツポーズを決めたのはこちら、新宿の紀伊國屋書店本店1階の新刊本売り場です。人通りが多く、一部の本しか入らないこの場所は去年は1ヶ月半かけて、年明けになってようやく並んだ場所でした。

丸の内オアゾの丸善書店さんも、今回は初日から大きな平積みの山を作ってくださっています。ありがたい、ありがたい。

でも、やはり少し重い今回の本

しかしそうはいっても、リアルタイムのAmazonのランキングのログを取ったり、ツイートの様子などをみていてもわかるのは、今回の本は「ライフハック」というわかりやすいキーワードが入っていない分だけ動きが「重い」点です。

もっとキャッチーな題名をつければよかったのかもしれないと今頃になって思うわけですが、たとえばどういうのがいいのでしょう?

「成功する人は情報を上手に積み上げる」

成功という言葉を使うあたりが私らしくありませんよね。これは無理だ。

「アウトプットの質は書斎で決まる」

これも、本の3章と4章にしか注目していませんから、なんとなく違いますよね。でも書斎の本だよというのはどこかでわかりやすくしたほうがよいのかも…。

「すきなことで生きていくための情報戦略」

まあまあ、良いかもしれませんが、なんだかユーチューバーになりそうなタイトルですね。

「ライフハック大全2」

却下。

というわけで、やはり本書は「知的生活の設計」でよかったのだと思います。この重さがあるからこそ、本としての統一性もあるわけですので。

その重さを振り切るためにも、届くべき読み手のもとに本書を届けるための言葉を模索しているところです。

もし本書を買ってくださった人で、レビューを書いていただけるひとがいるなら、ぜひ「知的生活」というものをどのように表現するかに注目していただけると、記事としてすわりがよいかと思います。

ではこれからも、じっくりとこの本を広めてゆく努力を続けようかと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。