小さな習慣02: 30分の読書とジャーナリングの効用

行動は小さくても、緩やかに人生を大きく変える可能性がある小さな習慣、今週は読書についてです。

先日オバマ大統領の読書の習慣について紹介したところですが、30分でも毎日続ける読書は、1日ではたったの20ページほどだとしても、1年続けるうちに大きな読書の成果をもたらします。

考えてもみてください。20ページ x 365 日は少ないように見えますが、7300 ページに達します。

もちろん、もっともっと読みたい気持ちはあるでしょうけれども、忙しい人にとっては、真面目な、重要な書籍を月に2-3冊クリアしてゆくだけでも、多くの実りと喜びをもたらしてくれるはずです。

オバマ大統領でもその習慣を維持していたなら、私たちだって、どうにかしてそれを実践できないはずはありません。いくつかの知恵をつかえば、短い時間でも着実にページを進めることができるのです。

30分をいつ開始するかを決めておく

わたしもよく陥ってしまうのが、夜遅くまでブログを書いたり、余計な雑用をしていて、体力と気力をほぼ使い切ってしまった結果、眠る前に30分ほどページをめくるつもりでも、すぐに睡魔に襲われて読んでいても頭に入らないというパターンです。

これはもう、毎日の仕事量や、ペースや、体調や、ストレスレベルに左右されるので公式のようなものはありません。

でも、なんどか試みるうちに:

  • 23:30 までに読書を始めると、その日は気持ちよく終えることができた

  • そのためには、21:00までに子供を寝かすこと

  • 夜に「気晴らしに」と30分以上スマートフォンをみていると、この時間が守れず、ずれこむ傾向がある

といったように、成功パターンが見えてくることがあります。私は最近だとこの最後の、スマートフォンいじりが失敗の原因だとわかっているので、夜は充電がてら、どこかに封印しておくことがあります。

ジャーナリングで、読書のセーブポイントをつくる

複雑な、難しい内容の読書であればあるほど、昨日の内容と、今日の内容を地続きにして読書を継続するのは難しくなります。

そのため、1行でいいので、その日の読書の内容を自分なりにまとめておくことで、次の日へのバトンとすることができます。

これは Day One のようなジャーナリングアプリに、「読書ジャーナル」のような場所をつくって、つらつらと書き足してゆくことで生み出せます。タグに書名を打ち込んでおけば、同時に数冊の本を読んでいるときにも書名で流れをまとめておくことができます。

[caption id=“attachment_20680” align=“alignnone” width=“372”] これは切れ目のいいところだったので、ちょっと長めのジャーナル。その日のページを撮影して追加しておくのもいい。[/caption]

ジャーナリングは本当に簡単でよく、読んだという事実を残すための書付け程度があるだけでも、次の日の読書を楽にしますし、またしばらくたってから再開する場合にも役立ちます。

いわば、読書の「セーブポイント」を作るような作業だと思ってください。読んだときの感興を、あるていど残しておくためのセーブポイントです。

時間を盗む

30分をまとめてとることができない場合でも、読書はほんとうに時間を盗むように進めることも可能です。

歩きながら1ページ、エレベーターを待っている数十秒に1ページ、作業をすませて休んでいる間に1ページ。意外に、こうした瞬間は集めることが可能なのです。

それらの瞬間を集めて30分にしてもいいですし、集めた瞬間に加えて夜の30分にしてもいいでしょう。ともかく、頭のなかにある鉄床のうえで、本についての思考が冷えないようにつなぎとめておくことができれば、なんとか読書は継続します。

面白さを頭のなかで持続すること、一度火がついた興味が消えないように保つこと、それがこのジャーナリングの意味でもあるのです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。