2016年に最も読まれた記事と、私が学んだこと

信じられないことですが、もう2016年も最後に近づいていて、まだやり残したことや、書いていないことばかりが脳裏をめぐります。

思えばさまざまなことがあったのですが、なかなかタイムリーにそれを記事にすることができていなかったケースも多かった気がします。

それはまた時間をおいて記事化してゆくとして、今年 Lifehacking.jp で最も読まれたのはどんな記事だったのか? ちょっと調べてみました。## Lifehacking.jp 2016年トップ10の記事

アクセス数だけではなく、言及された回数などいくつか指標はあるのですが、今年についてはこの10記事が最も読まれ、言及され、ブックマークされていたようです。

  1. 生産性の高いひとはなぜ仕事術や習慣を常に変え続けるか

意外な記事が1位になっているのですが、これは仕事術には完璧な方法が一つあるのではなく、常に環境の変化と自分自身の変化にあわせて変え続ける必要があるのだというテーマの話でした。これは特に最近感じることですね。

  1. なぜもっとスマートなタスク管理アプリが生まれないのか?

人工知能についての話題が次々とやってきた2016年、こうした手動でタスクを入れる従来のサービスではなく、もう少しユーザーに対して先回りするようなうまれてくるタイミングなのかもしれないという話題に触れた記事です。ちょうどそのあとに Todoist に AI 的なスケジューリングの機能が加わるなど、まだまだこの話題は動きそうです。

  1. 「ひらくPCバッグmini」は体にフィットして荷物を軽く感じさせる新発明

今年きっと一番使ったバッグ、「ひらくPCバッグmini」は本ブログでも登場と同時にアクセスが集中しました。そして売り切れへ…(いまは在庫が復活しています)。

  1. 毎日、毎週、毎月の繰り返しタスクを管理するアプリ:Routines

いまはまた別のアプリを使っているのですが、こちらは習慣化の繰り返しを登録するためのアプリ。

  1. Mediumと個人ブログとの違いを読み解く1つの図

一部ではMediumも大きく注目されました。こちらの記事はMediumの位置付けについて書いている記事。

  1. Mediumはブログの未来である

そしてこちらは Publication 機能が登場したときに、Medium の私のパブリケーションと同時に対にして記事にしたものです。いまもこれがMediumについてはよく読まれています。

  1. 3つの「かわる」が常識を打ち破る「かわるビジネスリュック」のすごさ

そして「ひらくPCバッグ」とともに、とても話題になった「かわるビジネスリュック」このブログで最も売れた商品の一つになったかもしれません。

  1. 朝からフルパワーを出すための、就寝前の「10-3-2-1-0」ルール

食事のタイミングや、スクリーンを見るタイミングを変えることで睡眠の質を変えようという話です。これはなかなか実践は難しいのですが、部分的にでも取り入れると良いかもしれません。

  1. Picasaの終了と、10年続くウェブサービスの少なさ

多くのウェブサービスが閉じてゆくか、方向性において変化することを余儀なくされているなかで、10年続くサービスが少ないこと、そしてデータの永続性があてにならないことはなかなかの問題です。一応、移行先のGoogle Photos は非常に利用価値の高いサービスで安心しているのですが。

  1. 「知能が高い」ためにかえって仕事ができなくなる罠とその回避方法について

仕事と、それにたいする割り込みについて。どうも年々、割り込みに対する耐性が低くなっているような気がしてなりません。

さて、今年はブログ以外でも、ゆるやかにさまざまな変化のある年でした。それについてはいくつかまとめておきたいと思います。

情報の受け取り方のゆるやかな変化を学んだ

年末、キュレーションメディアや、まとめサイトなどが大きく炎上して注目を浴びましたが、私にとってこうしたサイトはもとより情報を集める場所としてはレーダーに入ってはいませんでした。むしろ、話題になったあとで、それがまとめられる場所なので、新しい情報を探しにゆくには旨味がないのですね。

Medium

今年、力をいれて耕した結果とてもリターンが大きかったのが Medium の書き手と、パブリケーションのフォローの編集でした。

たとえば Backchannel のような、すばやく、高品質のテクノロジー系の批評を読むことができるパブリケーションと、そこに集うライターをフォローした結果、私の Medium のタイムラインはとてもよい情報源となりました。

特に、まだ意見がかたまっていない、現在進行系の出来事についてこれは効いてくる傾向にあります。

その一方で、今年の後半、RSS の有用性がまた戻ってくる傾向にありました。あまりにアルゴリズムで時系列を無視した記事の流れが Facebook でも Twitter でも見られるようになった結果、本当に時系列で網羅的に見ることができるのは RSS だけという周回遅れで一位といった現象が起こっているのです。

これについてはまだもう少しこの流れは続くでしょうから、記事にしていきたいと思います。

仕事のしかたに、無理と、変更の繰り返しを学んだ

しだいに年齢を重ねてゆくうちに、体力的に無理が効かないこと、能力的に昔のような状態を維持できないこと、あるいは単純に立場が変わったために余裕がないことが多くなっているのを意識した一年でした。

特に最後の2ヶ月などは本当によく生き延びたなと思うくらいに厳しいものがありました。

それと同時に、年齢なりの仕事の仕方についての経験を身につけることもできた気がします。時間の見積もりの仕方、バランスが崩れたときにどこから対処するかといった「オジサンの仕事術」とでもいうべきものです。これ、需要ありますかね?

その大半は、繰り返し基本に立ち戻って頭をどのようにすれば空にして、余計な寄り道や雑用を増やさずに実行できるのかという、「実行の技法」といったことです。

最悪のときに優先するものを学んだ

しかし忙しいなりにも、守ることができた最優先事項は、どんなに追い詰められているときでも、家族のために時間をつくっておくことでした。小学生と幼稚園になった子供たちとの、いましかない時間を逃さないために、すべての効率化とテクニックは駆使していた気がします。

まさかこのような未来に突入してゆくとは思いもしなかった、不透明で先が読みづらい2016年の年末になりましたが、逆にやるべきことはさらに鮮明になってゆく一年でもあった気がします。

そうした私の日常と仕事と、考えたことを記録しつつ、このブログものんびりと続けていければと思います。

Happy Lifehacking!

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。