ツイッター「重要な新着ツイート」機能をリリース。ポイントは2つだけ

予告されていた通り、そしてCEOのジャック・ドーシー氏が多少気まずいハンドリングをしたあとで、ツイッターのアルゴリズムによる新着ツイートの表示機能、「重要な新着ツイート」がリリースされました。

これだけでツイッターのタイムラインが完全に時系列順でなくなったり、いままでの良さが破壊されるわけではありませんが、ツイッターがこれまでのやり方から急速に舵を切り、新しいことを試しているのは伝わってきます。

ポイントとしては二つだけが重要になります。

重要な新着ツイートの二つのポイント

まず、重要な新着ツイートの機能は今のところユーザー側で設定しないかぎりは導入されません。ですから、いまのところ興味をもって設定しにいった人だけがこの機能を見ることができます。ただし、数週間以内にこの機能を通知付きでオンにして提供することになるだろうとも公式ブログは伝えていますので、設定方法はフォローしておく必要があるでしょう。

二つ目は、これはツイッターを開いた際に新着の部分に表示されるのが最新のツイートではなく、アルゴリズムが重要と判断した数個から十数個のツイートになるという点です。どのくらいの感覚でツイッターを開いた場合に、何個のツイートが表示されるかはたぶん動的に調整されていますので、確たることはいえません。ただ、いままで存在した “While You Were Away” の機能と違って「重要な新着ツイート」は見た目が通常とかわりませんので、タイムスタンプをみないと気づかないことでしょう。

ツイッターアプリ内での設定箇所は以下のようになっています。

twitter-tl

私は、これが同じだけの情報をより短い時間で提供してくれるものなのか気になりますのでオンにしてみました!

アルゴリズムはどこをみている?

現時点では、なにか中立的な指標よりも、誰をフォローし、誰ともっともやりとりをするかというユーザー側の視点にそって「重要な新着ツイート」は構成されるとしています。

つまり、むやみにRTの多いツイートばかりが並ぶのではなく、友人のツイートや、反応する可能性の高いものを選別しているということになります。これは、ツイッターを利用しやすくしていて良いのではないでしょうか。

一方で、見方によっては、あのツイッターのもっていたカミソリのように鋭いリアルタイムの感覚は多少薄れてしまったということもいえると思います。今後は Facebookのハイライトのような、擬似リアルタイムに近いものとして、受け入れられてゆくのかもしれません。

Twitter is live. Twitter is real-time. Twitter is about who & what you follow. And Twitter is here to stay! By becoming more Twitter-y.

— Jack (@jack) 2016, 2月 6

ジャック…頑張っているのはわかるのですが迷走感は残りますね…。

新ユーザー獲得が急務の不透明な未来

さらに悪いことに、ツイッターの新ユーザー獲得がほとんど停滞してしまったというニュースも入ってきており、それに伴って株の価値も下がり調子がとまりません。

A Rant About Why Twitter’s Past Failures Make It Nearly Unfixable |Techcrunch Twitter growth grinds to a full stop, Wall Street reacts accordingly | Boing Boing

注目されるのは、ツイッターが今後もこの嵐のような機能追加や変更を続け、ツイッターを現在のものとは違う、しかしもっと多くのユーザーの望むものにピボットしてゆくのか? それともこのままのユーザーベースからの収益性を高めるように動くのか? という大きな岐路です。

ジャックはどうみても前者をとるタイプに見えます。そしてそのほうが面白そうな未来が待っている気もします。たとえそれが、いまのツイッターの終焉を意味するとしても。

この鳥が、どこまで羽ばたけるのか、いまは見守りたいと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。