ツイッターが時系列ではないタイムラインを導入する理由

ツイッターが時系列ではないタイムラインを導入する理由

(updated : 2016/02/18)
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[記事下に、続報あり]

ツイッターはすべてのつぶやきが時系列で表示される、リアルタイム性の高いサービスでしたが、その根本的な仕様が変わるかもしれないというニュースがやってきています。しかも早ければ来週!

Twitter’s timeline will soon show tweets out of order | Verge

まず落ち着いてこのニュースを咀嚼したいのは、こうした提案がされたのは今回が初めてではないという点、そして現時点でこの変更はオプト・イン、つまり明示的に設定した人のみに適用されるという点です。

ではなぜ、こうした変更が行われる必要があるのでしょうか? いくつか思いつく点があります。

これはツイッターの価値を高める? 低める?

先日、「ツイッターが10000字の添付機能を考慮している」というニュースでも述べましたが、ツイッターは現在 Facebook との競争の中で自らのメディア的な価値を高める必要性を感じてます。そのための画像埋め込み、動画埋め込み、長文埋め込み、生配信、そしてGIFアニメです。

それでもツイッターが乗り越えられないのは、ユーザーが目にするのはあくまで彼らが編集したタイムラインだという点です。面白い情報を投稿している人をフォローしていないかぎり、面白い情報は目にすることがない。これがツイッターの大前提なのです。

また、ツイッターに最初からあった問題として、1. フォローしているひとの数が多くなるとタイムラインを追えなくなるのと、2. つぶやきが多い人に対して相対的に少ない人のツイートの価値が自然に低くなってしまうという点がありました。

今回の施策は、そのタイムラインにメスをいれることでもあるのです。

「時系列のタイムラインは、ツイッターの理想的なみかたではない」

これにヒントを与えてくれるのが、2014年に当時のツイッターのCFOが語ったコメントがあります。

Twitter’s timeline is organized in reverse chronological order… but this “isn’t the most relevant experience for a user,” Noto said. Timely tweets can get buried at the bottom of the feed if the user doesn’t have the app open, for example. “Putting that content in front of the person at that moment in time is a way to organize that content better.”

「ツイッターのタイムラインは時間の順序になっている。しかしこれはユーザーの視点からみてツイッターを体験する理想的な仕方ではない」と Noto は言った。アプリを開いていなければ重要なツイートが下の方に流れたあとかもしれないというのはその一例だ。「コンテンツを整理して、そのとき見ている人の目の前に表示するほうが、良いといえるだろう」

簡単にいいますが、シニカルにみるならばそれは「ツイッター社にとって都合のいいツイート」をプロモーションする行為にほかなりません。

「生放送」と思ってみていた番組が実は録画だったような、あやふやなことになりかねませんし、また、何が重要かをツイッター社が決めてゆくのにも違和感を感じます。

すべてが人工知能に先に「検閲」される世界

一方で、これは膨大な情報をいかにしてフィルターするかという問題に対する一つの答えでもあるのです。

これまでは、ツイッターは「リスト」といった機能を提供していましたし、ユーザーが発案したハッシュタグという仕組みが情報を扱いやすいグループにしていました。

これを人工知能的なアルゴリズムがユーザーに代わって制御してゆくのなら、うまくいけば私はいままでの100倍、1000倍の人をフォローしていても重要な情報を見落とさないというこれまでの限界をこえた利用方法が可能になるかもしれません。

しかし同時に、これはあらゆるツイートは先にツイッターによってフィルタリングされるということでもあります。「面白いツイートはないか」と検索することができるなら、アルゴリズムが人間よりも先にすべての面白い投稿を、悲しい投稿を、感動を、衝撃を、炎上を、有害コンテンツをあらかじめ体感して、人間に並べて見せてくれるということにもつながっていきます。

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実はもう、Google の検索でも似たようなことは起こっています

これは先日紹介した Inbox の検索のように、文字列での検索ではなくて「意味」や「概念」をGoogleに伝えることでより正確な情報の検索ができるようになる反面、機械による検閲をゆるすことでもあります。

これを私たちが望んでいるのかどうか、そうした倫理的な問いも立てられます。

しかし、望むと、望まざるとにかかわらず、もうそうした未来はそこまでやってきています。Facebook のタイムラインはすでにアルゴリズムで制御された「ハイライト」が中心です。

検索結果は次第にコンテキストを理解して提供されるようになっています。

アルゴリズムがつかさどるツイッターは、どのようなタイムラインをみせてくれるようになるのでしょうか?

(続報)

Vergeの記事で、アルゴリズムによるタイムラインがどのように動作するか解説がスクープされています。

Here’s how Twitter’s new algorithmic timeline is going to work

簡単にまとめると、これはしばらく離れていて戻ってくると表示される「あなたがいなかった間にこんな話題がありました」という、すでに存在する機能への拡張となるようです。

ツイッターとエンゲージしている間は、通常の時系列順で、過去に向かって遡るとハイライトを拾い始めるようになります。

これはこれで、過去の臨場感が変になる感じもしますね。実際はどうなるのでしょうか。

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