「ひらくPCバッグmini」は体にフィットして荷物を軽く感じさせる新発明

みたいもん!のいしたにまさきさん(@masakiishitani)プロデュースによる「持ち歩く書斎」を実現する「ひらくPCバッグ」に、形を一新した mini サイズが登場しました。

記事を書く前からニュースを聞きつけた人が殺到して一部サイズでは早くも売り切れが生じているほどだと耳にしています。

この「ひらくPCバッグmini」、見た目は単純なminiサイズではなく、「ひらくPCバッグ」の横幅を小さくし、逆に高さを増して縦長としてあります。横幅が減った分だけ、MacBook Pro 15in のような巨大なノートパソコンは入らなくなっていますが、MacBook Air 13inch や、Surface、iPad Pro といった機器は入るように設計されています。

そして今回も、「ひらくPCバッグ」らしい、みえない場所の作りこみが、全体の使用感を決めています。Superclassic様から、レビュー用にオリーブグレーを一ついただきましたので、寸法や力学的なバランスを調べてみました。

「ひらくPCバッグ」比較画像

まずは、これまでの「ひらくPCバッグ」とくらべて、どのようなサイズになっているかを比較してみましょう。並べておいたところはこのようになります。

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mini という名前とはうらはらに、けっこうな存在感があります。「ひらくPCバッグ」が幅40cm x 高さ26cmなのに大して、「ひらくPCバッグmini」は幅29cm x 高さ36cmあります。水平にみたシルエットだと、ほぼおなじ面積どころか、実は mini の方が広かったりするのです。

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底面の奥行きは「ひらくPCバッグ」が13.5cmなのに対し「ひらくPCバッグmini」が12.5cm。ほんの1cm、miniのほうが小さくなっています。この横幅の違い、奥行きの違いで mini というわけなのですが、実際に荷物をいれてみると不思議なことにほとんど変わりがなかったりします。

この秘密が、前面のフラップにあります。

一つ目、二つ目のフラップの合理性

「ひらくPCバッグmini」の一番気に入った点は、肩から下げている際に、上の部分を一段階だけ開けて「1stフラップ」の部分に必要最低限の荷物をいれられる点です。これは、アクセスがとてもよい!

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こちらが「1stフラップ」を開いたところ。ここに鍵や、ペンといった小物を入れておけば、バッグを全開にせずともたいていのものをとりだせます。これが最高。

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チャックをもっと開ければ、「2ndフラップ」が見えてきます。ここにもポケットが存在して、ふたの部分に上下にポケットがついている構造となっています。

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対応図を描くと、このとおりです。普通、縦長のバッグは底に物がたまりますので、上の部分は完全にデッドスペースになってしまいがちです。ところがこのフラップ内のポケットのおかげで、図の赤い領域に荷物がやってきて無駄がないのです。

これはもう一つの効能があって、「ひらくPCバッグmini」の重心を低すぎになるのを防ぎ、ベルトの先に重心が来るように調整する効果があります。ベルトをひっぱる力のベクトルと重心が重なっていないと力に無駄が生じますが、それを緩和しているわけですね。

miniでもこれだけ入る! 凝縮感の高いバッグ

さて、それでは荷物を入れてみます。今回比較のために、カジュアルに荷物をいれた「ひらくPCバッグ」から「ひらくPCバッグmini」に荷物を移し替えています。サイズ的に無理な MBP 15in のかわりに、Surface Pro 3 が入っています。

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ScanSnap iX100 は入りますか? という質問をいただいたので入れてみたところ、無理なく入りました。Surface の表面に傷をつけることもなさそうです。

Surface の奥には A4 の書類、文庫本にモレスキン、cheero の20000mAh の大きめのバッテリー、その他を入れてもまだ余裕があります。

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iX100 のかわりにミラーレスカメラを入れた場合です。こうしてみると、普通の縦長のバッグならば袋状にして大きな底を作ろうとするのを、設計上、最初から避けているのがわかります。

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こうして荷物をつめて前面を閉じると、無理のない仕上がりです。印象として「ひらくPCバッグmini」はたしかに容量は減っているものの、フラップとポケットの配置によってとても凝縮度の高い詰め方ができるように感じました。

取っ手と、ベルトの角度の細かい変更点

さて、詰めるだけ詰めることができても、快適に背負うことができなければ意味がありません。今回「ひらくPCバッグmini」ではさりげない改良が加えられて、持つ際の体感を調整しています。

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一つはこの取っ手。指を通すことはできないものの、ひょいと持ち上げる際には重宝します。いちいちベルトを引っ張らなくてもよいわけですね。

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もう一つが、ベルトの角度です。測定したところ、「ひらくPCバッグ」が水平に対して71度の角度をもっているのに対して、「ひらくPCバッグmini」は74度と、+3 度きつ目にベルトがつけてあります。これは、実際に背負ってみると意味がわかるようになります。

影のように寄り添うバッグ

「ひらくPCバッグ」は、腰で荷物を支えるような持ち方をしていましたが、「ひらくPCバッグmini」は形が似ているものの、まったく違う持ち方が自然になります。ベルトを短めに使い、背中に貼り付けるようにして背負うと、ほとんど存在感がしなくなるのです。

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このように、ベルトは調整してコートの季節はコートの分を、暖かくなったらもっと短く調整して身体に密着させるとよいでしょう。腰で支えていないのに、とても軽い感覚があるのは、近くなった分ベルトの角度が大きくなり、力が身体にそって伝わってバッグを引き上げているからです。

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バッグを前にもってきて「1stフラップ」だけをあければ、すぐに必要な小物をとりだせます。逆に、バッグのなかにいっぱいに物が詰まっていると、うえからするっと手を差し込んで取り出すというのは難しいので、ポケットへの整理が必要となります。

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こちらがそのフラップを開いているところ。とにかくこの「1stフラップ」が便利です。最高!

変化する持ち物。進化するバッグ

これまで「ひらくPCバッグ」にMacBook Pro 15in を入れて持ち歩くことが多かったのですが、最近ではあまりの重さにベルトが苦しいこともあって、持ち歩く頻度はどんどんと減っていました。

その一方で、昨日の記事でも書いたように Bluetooth キーボードだけをもちあるいて iPhone / iPad に接続して仕事をすることもあれば、Surface Pro 3 を利用することも多くなっています。この数年で、やはり持ち物も変化していたのです。

「ひらくPCバッグ」はバッグを作ろうと設計を始めたものではなく、もちものの周囲にバッグを設計する考え方をしています。それが新しい時代に新しい形をとったといってもいいでしょう。

ひとまずの使用感はまとめましたが、まだまだいろいろな組み合わせがあるでしょうから、今後の記事で使用例を出していければと思います。

(追記:この記事が登場してからたった1日で、3つのカラーのうちブラウンは売り切れとなってしまいました。2016/02/19 現在、5月の発想に向けて発想に向けて予約が行われていますので、どうしてもブラウンがほしいというかたはお早めに予約を!)

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堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。