もう一度、手元から

一個のタイマーがポケットのなかにいつもあります。

なにかちょっとした仕事があると、ほとんと習慣になったてつきで5分にセットして、止まることのない時間を区切って測り始めます。

タスクはなんでもかまいません。メールを10通ほど処理するのでもいいですし、ちょっと気の重い英語の原稿を一段落一気に書くのでもいいのです。タイマーがかけてあれば、この息を詰めた時間がせいぜい5分で終わるとわかっていれば、集中力は高まり、手は自然に動き始めます。

でもこんな習慣も、習慣となったいまではあまり意識することがありませんでした。当たり前の動作は意識することもないのです。そういう話題がこのブログの周囲にはたくさんあります。

無意識になった手元をもういちど見直す

たとえば Doing リストの話題でも、48:12分時間分割法の話題であれ、もう数年前に書いて、ネタとしては終了したつもりでいましたので、最近ではちょっと触れることが少なくなっていました。

■ ストレス下でも「次の仕事」を見失わないDoingリストの効用

デビッド・アレンさんの Getting Things Done についても、もうそろそろ常識になっているのかと勘違いして、いつの間にか話題の俎上にのせることもまれになりました。

でももう、当然だと思っていたことが、当然ではない。もう一度書き直さないといけないということを最近よく思うようになりました。

その理由は、最初にこのブログを書き始めた頃から比べても自分の仕事の内容や、それを処理するために与えられている時間がさらに減っていて、これまで通りの習慣ではしだいに追い詰められている感触があるからです。そしてそれを乗り越えるためにこの一年は新しい習慣や、いくつかの側面では昔は難なく出来たことを諦める過程もありました。

もういちどメールの処理のしかたを見なおさないといけません。もう一度タスク管理も見なおさないといけません。もう一度仕事をかかえていても心と体を守るための姿勢を学ばないといけません。つまりは、もう一度タイマーをかけないといけないのです。

そしてその「もう一度」をみなさんと共有したいと思います。きっと昔から読んでくださっていて今日もさまざまな仕事に人生に打ち込んでいる読者のみなさんに。そしてつい最近読み始めてくださった人にも。

Lifehacking.jpはこの2月で8周年。

この、「次の一巡」にぜひご期待ください。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。