WunderkitはGTDに、仕事の共有に使える強力なタスクボード

Wunderkit

一つの巨大な机のうえに、だーっと全ての考え事や、心配事、そしてやろうと思っていることを並べて一目で把握できたらよいと思いませんか? それをウェブ上で、そしてiPhone上でかなりの線まで実現してくれるのがWunderkitです。

Wunderkitはウェブ版のサービスと、それと緊密に同期するiPhone版から構成されています(OS X版のクライアントもありますが、中身はウェブ版を呼び出しているだけです)。

Wunderkit の最大の特徴は「ワークスペース」という単位でタスクやリストをいくらでも分割できる点です。たとえばOmniFocus のようなタスク管理アプリを使う際に、ときおり思うのは「家族」「仕事」「趣味」といったスペースにわけることができれば便利だということなのですが、Wunderkitは最初からそれを考えた設計がされています。

簡単でいて、膨大な考え事を整理するのに使えそうなツールとして、出会った中では久々に「これは」と思いました。そのWunderkitの特徴について簡単にまとめておきます。### ワークスペース・リスト・タスク

Wunderkitにログインすると一番左にワークスペースのカラムがあります。ここが「仕事」「趣味」といった範囲毎に設定することができるスペースです。

ワークスペースは「公開」に設定して、他のユーザーによってフォローすることができます。たとえば Lifehacking.jp 用に仮に作ったワークスペースはこちらです。

このフォロー機能を利用すれば他のユーザーからワークスペースにコメントをもらうことができますので、なかにはこのワークスペースをカスタマーサポート板のように利用している会社もあります。

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ワークスペースを選択したら、ここにはタスクか、ノートを追加することができます。タスクは文字通りタスクで、ノートは任意のリッチテキストを資料として貼り付けることができます。

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ワークスペースを開けば、そこにはリストを追加することや、タスクを追加するための UI があります。このあたりは Flow に似ていますね。もちろんタスクのドラッグ&ドロップの移動などにも対応しています。

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WunderkitをGTDに使う

Wunderkitはタスク管理アプリとしてはかなり基本的で、日付を設定できる以外は開始時間や終了時間といった複雑な情報の割り当てはできません。

しかし「ワークスペース・リスト・タスク」という階層構造はなかなか強力です。たとえばGTDの要領で頭のなかのすべてを書き出そうとしているとしましょう。その場合:

  1. 「仕事」「過程」のワークスペースを作成

  2. すべてのプロジェクトは「リスト」で管理

  3. 頭のなかにあることをすべてをタスクとして書き出す

とすることができます。

複数の人でコラボレーションをしている場合でも、関係者をワークスペースに招待してそれぞれの責任分野でリストを割り当てて、互いにお願いするタスクを書き出してゆくこともできます。もちろん、タスクにコメントを付けることもできますので、会話をしながらタスクの割り当てができます。

ソーシャルなタスク管理サービス

Flowもそうですが、タスク管理にソーシャルな側面を取り入れる傾向が続いています。Wunderkitはそれをもう一歩推し進めて、ワークスペースをフォローするといった概念も加わっています。これはタスクの実施者とオブザーバーという風に役割分担を行うことにも利用できますし、作業の進捗をオープンにして進める場合にも利用できます。

Wunderkitにはその前身にあたるタスク管理アプリ Wunderlistがすでにありますが、Wunderkitはそれにソーシャルの層をかぶせてきたような正当な進化をしています。

今日はひとまずここまでにしますが、時間があったらウェブ版の使用感、iPhone 版の使用感についてもまとめておきたいところです。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。