TwitterによるPosterousの買収はフローのストック化の一手か

Twitter posterous

最近、フローとストックの交点に新しいサービスがたくさん生まれている気がします。

Pinterest は本来ストック的な要素の強い写真をフロー的な興味の網目のなかで流し続けますし、写真共有サイトの 500px.com もこれを意識したのか写真の「フロー」という新機能を公開しました。

そしてこれです。Twitter による Posterous の買収

主としての目的は、Posterous の人材を買収によって手に入れることだといわれており、Posterous / Spaces のサービスは当面継続されるそうです。しかしこうなってしまうと、FriendFeed もそうでしたし、Brizzly もそうでしたが、そこにログを残し続けるのは不安がともないます。### フローとストックの交点

もっと興味深いのは Twitter 社の狙いが本当に人材だけなのだろうかという点です。

ツイッターは本来フローに特化したサービスで、つぶやきはすべて流れて消えていきます。そこに、メール一通でマルチポスト可能なブログプラットフォームの Posterous を加えることで、新しいサービスが展開できるのはないかと思います。

たとえば過去にある話題に言及した人を時間をさかのぼってすべてログから検索できたり、フォロー関係とは違った関連性のクラスタを作り出すことができたり。Spacesの考えを取り入れたグループ化のメカニズムであったり。

考えつく活用方法のすべてについて、フローをストックに、ストックをあえてもう一度フロー化するという部分があります。

この変換をおこなうところに、金銭的にも、ツールのオリジナリティのうえでも他と区別できるおいしい部分があるということですね。

一方、ちょっと取り残された感のある Evernote。今後どのようにログを解放する方向で進展するか注目です。Evernoteのノートはすべて個人的なストック型のログですが、それをさまざまに開放してフロー化するサイト、面白そうですよね?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。