となりのあの人の生産性を殺す9つ(+1)の妨害工作

distraction.jpg Nine Ways to Devastate Productivity | Productivity 501

誰にだって調子がのってこないという日はあるものです。そんなときにとなりのあの人はなんだか表情も明るく、充実して仕事をしているようにみえる。どれ、ひとつあいつの足をひっぱってやろうじゃないか…。

なんて、邪悪なことを考える人はいないと思いたいものです。Productivity 501 で、人の足をひっぱるための9つの方法という記事があって、あまりの反面教師ぶりに笑ってしまいました。

意訳でこの9つをざっくり紹介しますが、どうでしょう、身近にこんな人いませんか?

  1. 会って話すべきことでも必ずメールで連絡する
    ちょっと質問して、ちょっと答えるだけの会話ですむような話題をわざわざメールで行います。会話だったら数十秒のやりとりですむことが、5つか6つのメールのやりとりと化して相手の時間を奪います。ちょっと調べ物をしたり、誰か他の人に照会しなければいけない質問だとなお効果的です。こちらからの1通のメールに対して、相手は2通以上のメールをかかなくてはいけない羽目になります。

  2. メールで連絡すべき情報を相手に面と向かって伝える
    上とは逆に、メールで「参考までに」送っておけば良い情報をわざわざ相手の注意を引きつけて口頭で説明すれば、メールを一瞥するだけで済むはずの用件を10分の割り込みに変えることができます。

  3. どんなに短い会話でも、相手のオフィスに座って行う
    用件だけですまさず、相手の前に陣取って話をし、さらに壁に掛かっている写真やオフィスの置物などについて「あれは何?」と水を向ければ相手は小話をせざるを得なくなります

  4. 用事を一度に片付けずに10分おきに分散する
    5つの用事があるなら、一度に全部を片付けずに、「ああ、そういえばさっき言うのを忘れていたんだけど…」の前置きとともに5回に分けて話をします。10分間隔をあけるのは、先の訪問から立ち直って仕事を始めた頃に襲いかかりたいからです。

  5. 一つの用件で複数のメールを送る
    長くて網羅的なメールを送るのではなく、五月雨式に情報を付け足しながらたくさんのメールを送ります。もちろん一番重要な情報は最後のメールまでとっておき、相手が読み流せないように工夫します。

  6. 間違った質問を飛ばす
    相手にとって専門分野ではない質問や、関係のない質問でもかまわずその人にしましょう。相手の時間を無駄にできるだけでなく、運がよければ関係のないその質問のために相手を手伝わせることもできるかもしれません。

  7. 昼ご飯の直後ではなく、調子の出てきた頃に邪魔する
    昼休みのあとは誰だって能率が悪いものですので、この時間に邪魔するのではなく、ようやく調子が戻りかけた頃に話しかけに行きましょう。

  8. 手数がかかる調査や、根回しの必要な要件をお願いする
    「たしか A さんが会議の資料をほしがっていたので対応して下さい」といったような、漠然としていて、かつ詳細は相手が自分で調べなければいけないメールを飛ばして困らせる。そのタスクをこなすのに必要な連絡先や、資料の置き場所といった重要情報もあえて伏せておく。

  9. うわさ話をしにいく
    オフィスのなかでの心配事や懸案について相談にいったり、意見を求めているフリをして話しかけにいく。本当に困っている、あるいは憤っているように演技することも忘れずに。相手が話にのってきたら成功。

なんとも、ただの嫌なやつであるばかりか、相手の足をひっぱるのに夢中のあまりに自分の生産性も完全に殺してしまっているのが皮肉で可笑しいです。

体験からあえてこれに付け加えるとするなら、

3時に予定しているミーティングを3時の10分前に3時半に変更する。もちろん、3時半になる10分前に、4時に変更するのを忘れずに。

時間の予定でなくてもいいのですが、いったん決めたコミットメントを直前で変更するのは生産性に対して大きなダメージになるなと、いつも痛感しています。これをやられるとモチベーションが一気に低下してしまいますね。

でも気づいていないだけで、自分も他人も、これに近いことをやっていることがあるのかもしれません。こんな迷惑な人にならないようにという自戒も込めて注意しなければ。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。