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あなたも「天才」になれる? 10000 時間積み上げの法則



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A gift or hard graft? | Guardian.co.uk

人より恵まれた天才的な才能を発揮する人にとっては、努力なんて必要のないことなのでしょうか? あるいは、努力によって何事もカバーできるものなのでしょうか?

その疑問への答えは「10000 時間」かもしれません。

「ティッピング・ポイント」や、その廉価版「急に売れ始めるにはワケがある」第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しいといった本で著名な、マルコム・グラッドウェルの新しい本、Outliers: The Story of Success からの抜粋記事が Guardian 紙に掲載されていまして、この興味深い問題について触れています。

彼によると、伝説的なプログラマーのビル・ジョイのような人や、ビル・ゲイツや、ビートルズのようなバンドの成功も、「10000時間の努力」と、いくつかのタイミングが支配しているのだそうです。

魔法の 10000 時間

彼はこの 10000 時間という数字をいくつかの例を出して説明しています。

たとえば音楽学校でバイオリンを学んでいる生徒を、ソリストになりそうなグループと、プロオケでやっていけそうなグループ、そしてプロオケは無理でも音楽の先生になりそうな3グループにわけて練習量を比較するという調査を行うと興味深い事実がわかるのだそうです。

全てのグループでバイオリンを始めた平均的な年齢は変わらず、「スタートが早かった」効果はグループでみると無視できました。それに対して練習量は、他のグループは同じ年齢で 8000 時間、あるいは 4000 時間にしか達していなかったのに対して、ソリストになりそうなグループは計10000時間ほど、一週間の練習量も他のグループよりも飛躍的に高かったのです。

面白いのは、彼の調査によると「練習をせずに天才的才能を発揮する」人も、「いくら練習をしても上達しない人」の両者も見られなかったのだというところです。

こうした「10000 時間の法則」はビートルズが売れるようになるまでの弱小バンド時代、モーツァルトが(他の作曲家の模倣ではない)独自性の高いコンチェルトを作曲するまでの推定時間、ビル・ジョイが BSD Unix を書くまでにプログラミングに携わった時間などに繰り返し現れるのだそうです。

有名な成功者は、こうした 10000 時間の積み上げに、「偶然のタイミング」が重なることで現れているのだと著者は指摘しています。たとえば、ビル・ゲイツは数年早く生まれたとしても、遅れて生まれたとしても、PC 革命の最中に一旗上げる青年実業家にはならなかったでしょう。「時代の呼び声」があった時に、ちょうど 10000 時間の積み上げを完了していて、その呼び声に答えられた人、それが「時代の寵児」なのだというわけです。

自分を「天才」化できるか?

後者の「時代のタイミング」は自分ではなかなか選べませんが、前者の「10000 時間の積み上げ」だったら意識的に人生設計をすることでできなくもありません。…とはいえ、10000 時間というのは途方もない時間です。10000 時間の積み上げを2年、5年、10年で行おうと思うと、毎日次の時間が必要です。

  • 2年:10000 / (2 x 365) = 13.7 時間
  • 5年:10000 / (5 x 365) = 5.4 時間
  • 10年:10000 / (10 x 365) = 2.7 時間

これで見ると、2年というのが如何に非現実的かわかるかと思います。やはり、「天才」は数年にして成らずなのです。

10 年で見るなら、一日に 3 時間未満ですのでそれほど無茶な数字でもないですが、仕事をしていて、さらに趣味で大成しようと思ってもなかなかこの「3時間」は確保できないでしょう。学生時代の積み上げがいかに大切かということを表しているといっていいと思います。

また、毎日1時間の訓練を27年続けるよりも、毎日3時間の訓練を10年続けた方が成長スピードが速いのは当然でしょう。この効果は楽器の練習などには顕著にでてくることでしょう。

自分も考えてみるに、「どんなデータでも解析できる」「研究に必要な基礎技術は全部身に付いた」と自信が持てるまでには、修士から数えて約8年かかりました。この集中した時間の投入があったからこそ、なんとか一人前になれたわけで、これ以外には方法はなかったように思います。

しかし「なんだ、それではやはりダメじゃないか」「自分には時間がないから無理だよ」と決めつけるのは早いと思います。10000 時間の積み上げは、なにも 10000 時間経たないと変化がないと言っている訳ではなく、常に上昇しながらの 10000 時間だからです。

もし、あなたが一生を費やしても実現したい、大成させたいと願っているスキルがあるのなら、次の 10-12 年、毎日何らかの形でそのスキルを磨く「仕組み」を取り入れるのは有効かもしれません。

たとえば、私は将来も文章を書く仕事をいろいろしてみたいという希望をもっていますので、どんな形でもいいので文章を書く習慣の一環としてこのブログを書いています。「今」を充実させつつ「将来」の才能を開拓できないかと自分を実験台にしているところなのです。

また楽器やスポーツを練習している人なども、「練習」よりもライブや実戦と言った「戦場」に身を置くことで急速に自分を成長させることができるという手が使えます。アウトプットする習慣を「仕組み」として導入することで、強制的に才能の開拓に必要な時間を稼いでゆくわけです。

10000 時間が無理なら、まずは最初の 1000 時間、100時間だけでも積み上げられるようにすると、大きな変化が待ちうけていて、びっくりすることになります。

たとえばこのブログにはいま 500 ほどの記事がありますが、一つあたり1〜2時間をかけていますので、いまの積み上げは 700 時間程度ということになります。700 時間くらいでここまでの変化があるのなら、これからやってくる幾千時間で何ができるのか、楽しみで仕方がありません。

でも始まりは、毎日の1時間をとりわけておけるかから始まるのです。


著者について

堀 E. 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。

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