[Lifehacking Diary] 手帳が幸せを呼ぶのではない

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今日は Weekly Review の日でした。しかも普通のレビューではありません。システム全体を見直す、「グランド・レビュー」の日です。GTD のコンテキストを見直して、プロジェクト・ToDo リストを見直して、「7つの習慣」のミッション・ステートメントを見直してと、手帳周りのすべてのリファクタリングを行いました。

スターバックスの柔らかいソファに陣取って、iPod Touch で周囲の音を完全に遮断しながらひたすらシステム手帳の紙を入れ替えたり、メモをとったり、入れ替えたり、ちぎって捨てたりなど、傍目には不思議な様子だったかもしれません。しかし手元では、むこう数年間の自分の人生の目標と計画のブロックがくみ上げられていたのです。

リフィルに人生は収まらない

ふだんは Moleskine に加えてフランクリン手帳を利用しているのですが、フランクリン手帳のリフィルには便利なものと、どうしても使い方がわからないものとがあって、普段は試行錯誤しながら使っています。私にとっては「目標」リフィルがその最たるもので、「価値観」「目標」「ステップ」と書かれた欄に具体的に何を埋めればいいのか、イメージが出来ずにいます。

今日もそんな調子で作業が進まず、釈然としない苛立ちにまかせて Moleskine手帳のほうに考えていることを書き殴り始めました。するとそちらの方がずっと筆がのり、思うがままに書いているうちに、それまで考えてもいなかった計画や、手順が頭の中からサイフォンのように引き出されてきたのです。

今度はそれを箇条書きにし、 もう一度フランクリン手帳の方に「シンク」したら、ずいぶんとすっきりと「やりたいこと」「するべきこと」の一覧が雲のようにできあがってゆくのでした。

記憶と内省のフレームワーク

いつも思うのは、システム手帳というのは記憶と内省のためのフレームワークなのだなということです。 覚えきれない物を記憶し、頭のなかで抱えきれないものを一時的に置いておく場所です。

リフィルはそれを支援するために作られているものであって、リフィルの鋳型に私たちの人生が収まるわけではない。言い換えれば、最近の書籍の題名にあるように手帳が幸せを運ぶのではなく、もやもやとした頭の中から確たる言葉として引き出された自分の夢や希望が幸せを導くのだな、ということです。当然のことですが、形式(手帳・リフィル)と内容(価値観・ビジョン)をごっちゃにしてはいけないとあらためて思ったわけです。

Lifehacking というのは気づきの生活でもあります。こんな小さな事でも、「気づいて」考えを深められるのは楽しいことですね。

(しかし3年先まで計画したのはいいけれども、今の職が来年の3月で終わりという現状にもそろそろ目を向けねば…(笑))

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。