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聖書の教えを全て守って一年間を過ごすと…



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Gihyo.jp の連載でも書きましたが、私はライフスタイル・ハッキングの大ファンです。今までの自分になかった考え方や習慣を試しに取り込んでみて、自分の生き方を自分の意志で変えてみるのはスリリングで楽しい趣味です。

しかし Tim Ferris のブログで紹介されていたこの人は別格です。神を信じるわけでも、信じていないわけでもないこの人は、単に実験のために一年間旧約聖書に書かれている全ての戒めを(できるかぎり)まもって生活をしたのだそうです。その結果はとても驚くべきものでした。

彼がこうしたライフスタイルの実験をはじめてすぐに気づいたのは、現代社会は「選択」が過剰なまでにあるのに対して、こうした宗教生活はたくさんの戒律があるので最初から「選択」の余地が与えられていないということでした。ようするに選択することそのものからの解放だったわけです。 そうするとすぐにめざましい変化が起こりました:

  • 人の陰口をたたいたり嘘をついたりなどといった、罪とされる行動がそもそも初めから禁止されているとなると、そもそも人の事を悪く思ったりする思考経路自体が消えていってしまった。
  • はじめは祈ること自体に意味があると感じていなかったのに、一年も祈っているうちに、何か祈りに尊さや、聖なるものがあるように感じ始めた。
  • 白い着物ばかり着ていると、その着物にふさわしく、心が軽くて幸せを感じるようになったそうです。これからウィンブルドンに出場するかのような格好で暗いムードにはなれない、というわけです。

総じて、人生から難しい選択は消え去り、とてもシンプルで貴重な時間が増えたとこの人は述懐しています。

また、形式が心理に影響を与え、結局人生観を変えてゆくプロセスも侮れないということです。この人の経験は煎じ詰めれば「自分がなりたい人物像があるなら、まるでその人になったフリをすれば、じきにフリが本物になる」ということを教えてくれています。

仕事ができるようになりたい? それなら、自分が思い描く仕事ができる人になぞらえて行動し、服装を整え、言葉遣いを変えて毎日を過ごしてみます。すると形式が思考に影響をして、次第に自分が思い描く方向へと近づいていきます。

内気な性格を変えてみたい? それなら、自分から話しかける人、周囲に好かれる人をイメージして、毎日一つずつ、そのイメージにそった行動をとってみます。以前までは無理だと思っていたことが、次第に可能の領域に入ってきます。

この記事を読んでいると、人生は壮大な実験場という気がしてきます。 イメージでは、大人になって人生の形が固まってくるともう、あまり自分自身を変化できないのかと思いがちですが、ぜんぜん甘かったですね。私もここまでラディカルではないにせよ、より面白い方向に人生をハックしてみたいと思います。

この一年の生活にについては本になっていますので、興味のある人は手に取ってみてください。


著者について

堀 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。