小さいは大きい:Molskine Pocket で講義メモを

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24時間もの移動時間を経てたどり着いたのはイギリスの郊外にあるケンブリッジ大学の一角の古びたカレッジでした。蔦に覆われたゴチック様式の寄宿舎に寝泊まりしながら、久しぶりに学生に戻った気分で研修を受けています。

講義なるものも実に久しぶりに受けていますが、最近はたとえ書くことが多くても、普段と同じ Molskine Pocket で講義ノートをとるようにしています。今日は数式が大量にでてくる講義がありましたが、そこでもポケットノートにして10ページほどですべてを記入することができました。

講義ノートさえも Molskine pocket でとってしまうのにはいくつか利点があります:

  • ノートやレポート用紙を別に整理しなくてすみます:もはや毎日講義や研修を受ける身分ではないので「去年のあのときのノートは…」と Moleskine を見るだけで全てのメモがあるのは、ことのほか便利です

  • あえて**狭い紙面に書くことでかえって情報を絞り、必要最小限のことを考えながら書き込む傾向になります。**これは結果的にノートをとるのに手を忙しくしている時間を減らし、聞いている時間を増やす効果があって 全体的にプラスになります

  • 携帯性と永続性:レポート用紙にとったメモだと、結局使えずに捨ててしまうことが多かったのですが、Molskine pocket ならどこにでも持ち歩けますし、ふだん出会う事柄をキャプチャーする手帳にそのままメモしていますので、いずれは日付を入れて永久保存します。自分にとっては、この方が息の長い資料になる傾向があります。

実際、午後の実習時間ではポケットからこのメモを取り出して講義の内容と対照したり、書き込みを行っていました。

時差ぼけとハードなスケジュールでくたくたになり、ハリー・ポッター の物語にでてくるホグワーツ魔法学校の大広間のようなホールで夕食をとっていると、実習のときに一緒だった方が声をかけてきました。「きみは食事の最初と最後に何か言ってたけど、それはどういう意味だい?」

ああ、「いただきます、ごちそうさま」のことだな、と思って説明すると、彼のポーランド出身の奥さんも同じように食事のあとに挨拶をするのだという話でした。単にヂェンクイエン、つまり「ありがとう」というみたいですが、ちゃんと儀礼化しているそうです。

ほほう、と思ってこの雑学をキャプチャーするとともに、「ごち…ごちそ…」と練習している彼に Hipster PDA から抜き出したカード一枚に英語で Gochisosama と書いて渡してあげました。ありがとう、と笑顔をみせると彼は一言、「君のポケットからはなんでも出てくるね」と言ってくれました。

手で持ち歩くツールに関する限り、小は大にまさることがよくありますね。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。