バーチャル・マスターマインド同盟で会議を開く

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ほこりを被った本がうずたかく積み上げられた灰色の小部屋に、4人の人影が集まっていました。

一人目の影は背筋を伸ばして、身を乗り出しています。二人目の影はどこか居心地が悪そうに姿勢を崩しています。三人目はペンとノートを、四人目はどうやら手元で iPhone らしいものをいじくっています。

まとめ役らしい、最初の影が口を開きました。

A「諸君、集まってくれて感謝している。他でもない、今日は Lifehacking.jp の今後について討議したいと思って集まってもらった」 B「サーバーを増強した方がいいと思うんだけど…」 C「もっと文具の話題を増やすべきだ」 D「いや、名前の通りライフハックの記事を増やすべきだろう」 A「静粛に!まずは前回議題に上がった、新しい不定期連載についてだ。そろそろ、段階的に投入してもいいころだと思う。問題はどれを、どのタイミングで、ということだ。意見は?」 D「Zen Habits みたいに曜日ごとにテーマを決めるのがいいと思うぞ」 C「それなら、まず毎週月曜をあるテーマの連載に充てるのでどうだろう。残りは日々のニュースということで。軌道にのったら水曜、金曜に増やせるし」 B「mehori の筆が追いつくかな…」 A「よろしい、毎週月曜ということで始めようか。段階的に増やすのは賛成だ。問題は GTD 関係か、価値観関連か、ライフスタイル関係か、どの連載から開始するかだが」 C「文具は?」 A「mehori に文具を買いあさるお小遣いがないそうなので却下」 D「じゃあ、GTD 関係がいいだろう。まだ語り尽くされていないことも多いし、連載を2ライン用意できるはずだ」 A「さっそくやらせることにしよう。次の話だが…」

いきなりなんのことかと思われたかもしれませんが、これは時折、私が脳内でやっているバーチャル会議の一種です。実際には A から D に、もっと明確に尊敬する人物(故人も含む)を想定して、もっとわかりにくい対話が繰り広げられています。

ナポレオン・ヒルの Think and grow rich に「マスターマインド・グループ」という言葉が出てきて、同じ目標のために結束した協力関係が大きな利益を生むということが書かれています。

こんな風に、このブログの長期運営についてもいろんな人に意見を聞けると面白いのですが、同好の士が周りにはあまりいませんので、私は暇なときに Moleskine を前にして、こうしたバーチャル会議の議事録をとったりします。

バーチャル会議の何がいいかというと、一つには尊敬する人物を想像して**「あの人ならどうするかな?」と考えることで、自分の思考をレバレッジ出来る点**にあります。歴史上の偉人を連れてくることで自分を越えた視点を持ち込むこともできますし、意見の対立する二人の人物を加えることで、議論をさせることもできます。

自分一人の脳内会議では自己批判に陥りやすいので、それを回避できるというのも、もう一つの利点です。

子供の頃から、こうした一人遊びだけは得意でしたが、今頃になってこんなことに応用できるとは。

A「さて、他になにかあるかな?」 B「サーバーを…」 A「補正予算が通るまで却下」

p.s.

いつも読んでくださっている方に「こんな記事を読んでみたい」「ライフハックのブログのくせに○○は扱わないのか」といったご意見があったらコメントにどうぞ。余暇に地味にやっていますので全部に答えられるかは不明ですが…。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。