メディア断ちの旅:携帯、ネット、テレビ、新聞を禁止して出発

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今日から3日間、Lifehacking.jp はオートパイロットで動きます。記事はアップされますが、承認が必要なコメントなどをチェックするのは水曜日になります。私がインターネットからも液晶モニターからも、キーボードからも遠く離れた人外の場所に行ってくるからです。

今回はちょっと業務が混じった催しで行くのですが、それでなくても一年に一回は必ず登山や温泉という形で絶対にネットに触れない連続した日々を持つようにしています。これがもつ効能は実にすばらしいものがあるので、誰にでもお勧めです。今日はそんな「メディア断ちした旅」の話題を。

私の場合、3日は携帯電話も、ネットも、パソコンもない場所にいくようにしています。典型的な三日間だと、

  • 一日目はまだメールが気になりますし、携帯を開いたりしようとしますが、なるべく携帯のアンテナも立たないような場所に行きますので、そのうちあきらめがついてきます。

  • 二日目になると、目の前のものではなく、山や空などの非常に遠いものばかり見ているうちに衰えていた視力が少し回復していて、近くの物ばかり見ているうちに生じていた頭痛が和らいできます。

  • 三日目になるころには、会話の中から無駄話が少なくなって、ただひたすら風景や草花や自然を褒めたい気持ちだけになってきて、心の中に余裕が取り戻せてきます。

  • 帰ってきたあと:しばらくの間は心の中に大自然のペースがまだ生きています。このゆったりとしたペースに従っていると、雑用を避け、重要タスクを見据える作業が素直にできて、かえって仕事がはかどることが多い気がします。

という感じで進んでいきます。

「仕事」というものがパソコンの前でごりごりとキーボードを打つことと同義にになって久しいわけですが、最近では私たちの「趣味」さえもパソコンの前で行うことが多すぎます(ブログなんて最たるものですが…)。

自分はパソコンで仕事をするのが楽しい方ですので、あまり苦痛は感じませんが、それでも時には「こんな箱の前から逃げ出したい!」と心の底から思ったりします。年に数回のネット断ちは、それ自体すばらしいのですが、私にとっては普段の生活の自分のペースを取り戻すのに不可欠なのです。

**やるからには徹底してやるのが一番です。**ノートパソコンを持って行くのはもってのほかですし、ネット接続ができるホテルも選びません。周囲には「携帯も届かない山奥に行きます」と予防線を張ったうえで、携帯は電源を消した状態でわざと忘れていきます。旅先でもなるべくテレビ、ラジオ、新聞は目にしません。見なかったところで、どうということはないからです。

いつも鞄をふくらませている Covey 手帳も今度ばかりは持って行きません。私の場合は持って行くのはユビキタス・キャプチャー用の Moleskine だけ。ペンは壊れてもいいように3,4本持って行きます。あと親しい人の住所をいくつか紙に写し取って、旅先からはがきを送ります。

今回は原稿用紙ももっていき、飛行機のなかで書きかけの記事やらを推敲したりして、久しぶりにアナログオンリーの時間を楽しんでみたいと思います。

お盆の旅行計画を立てている方も多いと思いますが、ふだんパソコンの前で疲れ果てている方は、ぜひこの「メディア断ち」の視点を取り入れてみてはいかがでしょう?

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。