[GW Reading1] 3週間続ければ一生が変わる

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ゴールデンウィークで4連休という人も多いと思います。この4連休は最近、あるいは遠い昔に読んだ本で、最近 Lifehack 的に読み込むことができるなあ、と再認識した本についてご紹介します。まずは去年翻訳が出版された本で、ロビン・シャーマの「3週間続ければ一生が変わる」です。

私はライフハックというものは究極的には新しい習慣を身につけることだと思っています。頭を使って新しい習慣を身につけてゆくテクニックというわけで、その点がいわゆる「自己啓発」とはかなりの部分重なりながらも、ちょっとだけ位相が違う気がするのです。

ロビン・シャーマのこの本はいわゆる「自己啓発本」ですが、良い「習慣」を作ることを主眼に書かれていますので、ライフハックのファンとして楽しく読み込むことができました。

小さな習慣が人生を変える

習慣を身につけるにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。この本ではそれを3週間、21日だとしています。意識的に自分の人生をこのように変えようと決心して、それからその習慣が無意識にできるようになるまでの最初の3週間が苦労なのだそうです。

だから自分を変えるための魔法の呪文のようなものを期待するのではなく、具体的な目標を決めてそれが身につくまでの3週間だけ、最初の苦労を引き受ければその後のすべてが変わると読者を誘った上で、著者は行動力、時間管理、ポジティブ思考、自己実現といった様々なテーマの習慣作りや意識改革について書いていきます

この手の本をたくさん読んでいる人にとっては、あまり新しいことは書かれていないという印象を持つかもしれません。「前向きになれ」、「目標を持て」、「話し方を変えろ」といった、いつものアドバイスです。ただ、それらが「習慣」を中心に書かれているので、読者として行動に落とし込みやすいという印象があって、いつも聞いていることでもあらためて読む価値はありました。一つ一つのアドバイスが2,3ページで要点だけに集中して読みやすく書かれているのも好印象。

欧米のこの手の本は白人の方が書いていて、良くも悪くも特徴があるなあ、といつも感じていましたが、この著者はインド系で、たびたび登場するお父さんの知恵深いエピソードもどこかアジア的で心にすっと入ってくる感じがしたのも良い読後感をもたらしました。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。