ストレスを減らす52の方法

scream.png という一覧表を掲示しています。

多くは常識的なことですけど、もう一度読んでみると気づかされることもあります。それはストレスを軽減する方法というのが「予測できるとことは予測し」「予測できないことの影響を軽減し」「現状を受け入れる」という簡単で難しい原則にたっているということです。

いくつか取り出して訳してみました。

「予測できることは予測する」系のアドバイス

人間にとって予想外のことはストレスの第一の原因です。びっくりしますし、準備ができていないので、弱みを突かれたときのように傷つきやすい感じになります。重大な出来事もストレスですが、ささいなことが「思い通りにいかない」のも非常にストレスです。未来を予測する系のアドバイスにはこんなのがありました。

  1. 朝の準備を前の晩にしておく。朝食のテーブル周りやお弁当の準備をしておき、着る服を選んでおく。

  2. 壊れたら困るものをリストアップして、先手を打ってメンテナンスしておく。車、電化製品、人間関係など。こうすることで「最悪のタイミング」で壊れることが回避できる。

  3. バックアッププランを常に用意しておく。「明日もし会えなかったら、こうしよう」「ショッピングセンターで離ればなれになったら、この場所で会おう」といった感じで。

「予測できないことの影響を軽減する」系のアドバイス

したいことが多くなりすぎて手が回らなくなったり、物事が期待通りの結果にならなかった場合の気の持ちようがほとんどです。

  1. 基準をゆるめる。ちょっとくらい手を緩めたくらいで、それが世界の終わりになったりはしない。

  2. 「ノー」と言えるようにしておく。多すぎるプロジェクト、多すぎる約束事、多すぎる予定に対して限界を越えないようにする。これには練習が必要だし、自分を大事にするという意識的な努力、そして人にはリラックスして孤独になる時間が必要だという信条を作る必要がある。

「現状を受け入れる」系のアドバイス

典型的な「深呼吸をする」「ストレッチをする」といった身体的なリラクセーションからストレスを軽減するのもここに入りますが、メンタル面でもいくつか面白い方法があります。心の中にストレスを溜め込まない「仕掛け」「ハック」を習慣づけることよって、堪忍袋の底に穴を開けたように、ある程度のストレスは自動的に心から掃き出すことができます。そんなアドバイスもいくつかありました。

  1. 最低限の衣食住以外は “prefernece” つまりは「あったら良い」けど「なくても問題ない」ものだと気づくこと。本当に必要なものではないことに執着するあまりストレスを感じないように。

  2. 破壊的な言葉を使わない。「私は○○するには歳をとりすぎてる」「私は太り過ぎで○○できない」「私が言ってもダメだと思いますが…」などなど。

  3. 楽観的な世界観をもつ。全ての人は全力を尽くしているのだと考えるようにする。

Lifehack とストレスマネージメント

こうしたアドバイスの多くが換言すれば「気の持ちよう」となってしまうので、本当に落ち込んでいるときには「適当なこと言いやがって〜」という気持ちになってしまうのですが、「気の持ちよう」というのも立派な心のハックなのではないかと最近は考えています。

人間の心には不思議な一方通行の道というのか、ボタンのようなものがたくさんあって、「○○されたら必ず落ち込む」とか「○○な目にあうと必ず怒ってしまう」というプログラムが習慣で仕組まれています。それがストレスを増大させているのなら、先手を打って対処してしまうことで日々のストレスの多くはスルーすることが可能かもしれません。

こうした「心のハック」がけっこう Lifehack の本質を突いているのではないかと思います。

堀 E. 正岳(Masatake E. Hori)
2011年アルファブロガー・アワード受賞。ScanSnapアンバサダー。ブログLifehacking.jp管理人。著書に「ライフハック大全」「知的生活の設計」「リストの魔法」(KADOKAWA)など多数。理学博士。