ホームライフハックGTDGetting Things Done (a.k.a. GTD) part (4)
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Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (4)



どんなに完璧なシステムにも、多少の遊びの部分が必要です。完璧な整理術や、仕事管理術を実践しようとすると、手段が目的にとってかわってしまいます。GTD では「仕事を片付ける」ことを最優先にして、一週間のうちに頭のなかにたまってくる雑念は、毎日朝一番か、一週間に一度かき集めることをします。こうすることで、管理術をゆるやかに状況に適応させたり、仕事の遠近感が付けられるようになります。

Weekly Review

毎週、できれば金曜日の仕事を終える1〜2時間前を、この Weekly Review のための時間にとっておくことは、GTD の維持のためには必要不可欠です。できればこうした時間をあらかじめ「自分とのアポイント」としてスケジュールしておき、そのあいだは誰も邪魔をすることがないようにしておくのがいいでしょう。

Weekly Review を始めるにあたって、一週間の間に机の周辺にたまってしまった行き場のない書類を inbox に投げ入れ、あとで処理されるはずだという安心感とともにそれを忘れます。一週間の間に新たに生じた懸案事項や、ToDo リスト内にキャプチャーしていない脳裏の心配事をリストに確保していきます。そしてこれらも、適切に処理されるはずだという安心感とともに忘れてしまいます。

次に、GTD では「水平アライメント」といわれる作業を行います。たとえば、「@趣味」、「@家庭」というアクションリストと、「@仕事場」といったアクションリストを平等に眺め渡して、仕事に偏りすぎていないか、家庭をおろそかにしていないか、というバランスを考えます。

「仕事が忙しい」ということを口実に趣味から遠ざかったり、家庭をおろそかにするには人生は短すぎます。仕事がいくら忙しいといっても、ちょっとした時間がポッカリと空いたりすることはままあることで、そうした時間のポケットを効率的に使うために、アクションリストの中から、「ちょっと時間が空いたら手に付けたいこと」などといったリストを特別に作ったりするのもいいでしょう。これに慣れてくると、食事をするために最寄りの店に歩いてゆく10分の間に、夏の旅行計画についてブレインストーミングをしたり、といった離れ業も可能になってきます。タイムシェアリング、つまり、擬似的なマルチタスクを生み出す手法と同じだと言えば、コンピューター畑の人にはわかりやすいかもしれません。

次に「垂直アライメント」という作業を行います。垂直というのは、現在自分がいる場所を地上だと考えて、時間方向の距離を高さに置き換えて考えてみる事です。例えば今忙しくしているプロジェクトの目標、それは近未来の出来事ですので、10000フィート。部長、プロジェクト長といった現在の責任・役割の貫徹、これは20000フィート。1年後先の目標、これを30000フィート。3-5年先の目標、これを40000フィート、人生の目標、これを50000+フィートと、比喩的にとらえます。

そして現在行っている作業が、いずれはそうした高度にたどり着く放物線を描いているのかを再測定する事が、「垂直アライメント」の目的です。フランクリン・コヴィーの第3、第7の習慣とほぼ同じと言っていいでしょう。実際、GTD はフランクリン・コヴィーの「7つの習慣」と矛盾なく共存することができるシステムです。

いきなり30000フィートの目標のことを想像しようとしてもできないですが、ここで登場するのが「Someday / Maybe (いつの日か/できれば)」に分類したアクションです。例えばフランス語を学んで、ビジネスに活かすという目標があった場合、それがだいたいどのくらいの高さの目標であるかと考え、その上でその目標のために現在できることは何かを考えます。

目標が低いほど、完了までのステップは少ないですし、遠い目標であればあるほど、準備のステップは多くなります。ただ、ステップの数は問題ではなくて、問題となるのはその遠い目標のために、今週一週間でどのようなアクションをとることができるか、ということです。

こうした「垂直アライメント」の結果を、次の一週間のアクションに焼き直すことで、目標に向かって行動しているという充実感とともに、安心が手に入ります。また、現在の仕事のうち、無用なものを削ぎ落としてゆくのにも役に立ちます。

Weekly Review では、一週間で GTD の自分のシステムで、うまくいかなかった点を反省する場でもあります。システムに調整を加えて、次の週をより効率的にするために、手順や、管理するアクションリストを統廃合したりします。こうしたことでゆるやかな変化にたいして GTD を適応させて、息の長い習慣にしてゆくことが可能となります。


著者について

堀 正岳

「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote ライフスタイルアンバサダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモ 、Climate+を運営しています。

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「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp 管理人として、仕事術、ライフハック、テクノロジー、文具、ソーシャルメディアなどについて執筆中。

2011年アルファブロガー・アワード受賞。Evernote コミュニティリーダー。ScanSnapアンバサダー。この他のブログに、ライフ×メモClimate+を運営しています。気候学者、理学博士、英語ネイティブ。

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